それでも夢を紡ぎ出したい君たちへ・・・ようこそ、焼け跡へ!

いきなりこの本文ページから読んでいる人は、トップページ(タイトルをクリックすればいいから)のリード文をぜひ読んでほしいのだけど・・・あ、読んだ?

そういう不思議な出来事があった一日だったんだ。そして二十歳ほど年の離れた二人から、方やストレートに、方や冷めた姿勢ながら、エネルギーを感じとって圧倒されたんだね。そこも不思議だった。

ざっくり大きく括っちゃってメディアやコンテンツに関わる業界(いわゆるギョーカイ)に来る人びとには、そういう熱いエネルギーがある。入りたてでも、二十数年経って冷めちゃってても、エネルギー濃度は同じなんだと思う。入りたての方に、冷めちゃってる方を見せて、「ギョーカイはいま、これだけ経験値の高い人が冷めちゃうくらい情けない状況なのよ。何しろ高度成長のオマケとして成立してきたのがギョーカイだから、高度成長がとっくに終わってたことにやっと国全体が気づいたいま、未来なんか見えないのよ。高度成長の焼け跡なのよ。それでもあなたはここで、夢を紡ぎ出そうと言うのかい?方向転換するならいまのうちだよ」そんなことをささやいたらどうなるか(長いささやきだったなあ)。

入りたての彼女の方は、おそらく「そんなことで悩んだりしないっす!入っただけでうれしくてしかたないっす!」と元気に答えるだろう。そして驚くことに経験二十年で冷めちゃってるはずの彼の方もおそらく「そうだ、君は方向転換する必要なんかない!」とチカラ強く言うだろう。彼も実は何かを諦めてるわけでは決してなかったんだ。

ギョーカイをめざして入っちゃった人たちは、そういう人種なんだろう。あくなき夢を追い求めてしまう人たちなんだろう。

今日はだから、そんな2010年の新人たちに捧げよう。ようこそ、焼け跡へ!それでも君たちは夢を紡ぎ出したいんだね。オウケイ、一緒になんとかしよう。どうすればいいか?おじさんにだってさっぱりわからないよ!

おじさんもわからないから、このブログでメディアコンテンツ業界の未来を一所懸命探ってきた。ぼくがどれだけ先見の明があったかはわからないけど、とにかく真剣に考えてきたことだけは胸張って言える。ビジネス的な見地からここまでギョーカイを考えてきた点なら、そんじょそこらのコンサルに負けはしないぞ!

このブログは最初、「愛と責任のブログ」のタイトルでわりと多岐に渡る内容を書いていたのだけど、2008年4月から「クリエイティブ経営論」と改題してギョーカイの未来を考える内容に絞り込んで書いたきた。それはまさしく、ぼくらの世界のターニングポイントと合致してたんだ。例えばこのあたりから、かいつまんで読んでもらうと2008年は”すこーし変化が起きはじめたかなー”とやや悠長に書いていたのが、だんだん”大変なことになってきたっす”と騒ぎはじめているのはわかると思う。

そうして変化を追いながら、ギョーカイとは結局、”製造業で経済成長してきた日本”のオマケとして成立してきたに過ぎないことを解き明かしてきた。なのにギョーカイは、”豪華”をめざしてきてしまった。製造業のおかげで食べてきたのに、製造業より給料が高いという、おこがましい経営モデルをつくってしまったのだ。「だっておれたち、夢を創りだしてるんだからさ」などと図々しく言ってのけながら。夢を創りだすからといって、平均年収が高い必然性ってなんだったんだ?

などと自虐的なことを、あえて、書いた。いったんそういう小市民的な気持ちになるのが大事だ、ってことが言いたくてね。

だがしかーし!夢を紡ぎだしたい人が、夢を紡ぎだすことは、何の根拠もなく正しいのだ!

はっきり言っておこう。リーマンショック以降、倒れようとしているのは、夢を紡ぎだす心、ではない。夢を紡ぎだしたい人は、特別な人種なのだと言いたい!いま、倒れようとしているのは、いままでのシステムに過ぎない。たまたま就職する時にマスメディア企業に入れた人たちが、ほんとうの意味で夢を紡ぎだす能力とはほとんど関係なく、高度成長の果汁を吸い取る会社システムがあだ花的に成立していたことに乗っかってきただけだ。いま壊れようとしているのは、そんなもともと怪しかったシステムにすぎないのだ。

夢を紡ぎだしたいと思う心があるなら、それを誇りに思えばいい。そしてこの世界に入って夢を紡ぎだす能力がついたら、値段のつけようもない高い価値を君は持つのだ。そこへ向かって、まっしぐらに突き進みたまえ!

とは言え・・・これから単純ではないけどね。その値段のつけようのない高い価値に、値段をつけないといけない。できるだけ高い値段がつくようにがんばらなきゃ。がんばるというのは、紡ぎだす能力とは別の小賢しい方向でも、脳みそを鍛えないといけない、というわけだ。

たいへんだぞおおお!・・・そっか、わかってる。君が決して諦めない人間だってこと、おじさんは、わかってるぞ!

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