昨日書いた「VODサービスの決定打はFacebookかもよ!」は、少々先走り過ぎた記事となってしまっていたようだ。
あのあと、TwitterやFacebook上で、このニュースの追加記事が続々出てきた。
まずはTechCrunchのこの記事。「ワーナーがFacebook上で映画レンタルを開始–しかしNetflixキラーという報道は誤報」というタイトルだ。
ようするに、Facebookが積極的に映画配信を行ったわけではない、ということだ。ワーナーがいろんなVODサービスを試してきたように、Facebookでも試してみただけだと。つまりぼくの昨日の記事の書き方ではFacebookが主語でVODをはじめたようなことにしちゃってたけど、それはまちがいだということ。すんませんね、先走っちゃって。
それから、NetFlixがこれで危うくなるなんてこともないようだ。確かに、すでにアメリカではNetFlixはPCだけでなく多様なプラットフォームに乗っかっているので、PCメインのFacebookでVODがはじまっても大きな脅威にはならないだろう。
さらにさらに、NewYorkTimesがかなり詳しい記事を掲載した。これを、明石蛸三郎氏がブログ”DON”で詳細に翻訳してくれている。
(ちなみに、蛸三郎氏は、蛸三郎というペンネームで通しておられたのだが、Facebook上でついに実名で活動を始めている。そりゃそうか、実名主義だからね)
これを読むと、事態はさらに複雑で、ワーナーにはただの実験以上の意味はやはりあるようだ。NetFlixのような特定の仲介業者が強大になるくらいなら、視聴者と直接つながれるFacebookの方がいいじゃないか、という目論見があるのではと言うのだ。さらに、Facebookはやっぱりレンタルビジネスに関わりたいのかもしれないという記述もある。
とにかく、思惑はそれぞれ、ないはずはないだろう、ということだろうね。
さてそれにしても、Facebookじゃないならないでもいいのだけど、今後のコンテンツ流通にとって、ソーシャル機能は重要なファクターにあるはずだ。決して大げさでなく、売上を左右するような要素になる。
これは、使っていると痛切に感じるのだ。
例えば、日本での発売日に狂喜して即買い記をこのブログに書いた(そしてTechWaveにも載った)AppleTV。皆さんも使っているだろうか。
AppleTVには必ずしも新作が続々入るわけではないけど、とにかく1000本以上のメジャー作品から映画を選ぶのは大変だ。何しろ、見たことない映画を選ぶわけだから、見るべきかどうか判断する材料がない。
新作なら、まだ劇場やテレビで流れた予告編の印象が残っていたりするけど、二年以上前の映画だともう、印象が残っていない。作品によっては見た人のコメントがあったりもするけど、あれでは情報として少ない。もっといろんな人の感想が聞きたいし、できれば知ってる人、好みが近い人の話を聞いてみたい。
AppleTVには”ウィッシュリスト”という、気になった作品に印をつける機能があるのだけど、ぼくのウィッシュリストには1ダースほどの作品が並んでいる上、毎週少しずつ増えていく。でも視聴するのは土曜日の夜に1本だけなので、見切れないのだ。
ソーシャル機能がついていれば、どんどん見たくなるだろう。ほんとうは、どれを見てもそれなりに楽しめるのだろうけど、誰かに”一押し”して欲しいのだ。
電子書籍なんかもっとそうだ。ぼくのiPadにはもう、数えきれないほどの書店アプリが入っている。いまや出版社ごとに書店アプリを出している状態になってしまった。
それは良いことなのだけど、自分が興味を持つ本がどの書店アプリでどう探したら出てくるのか、さっぱりわからないのだ。どの書店アプリも、ランキングや新作、おすすめといった形で書籍を提示してくるけど、それでも全部合わせてせいぜい20点ぐらいが目の前に出てくるにすぎない。その中にそうそう、興味を惹くものはないのだ。
書店アプリを横断する形のソーシャル機能があれば、ぼくなんかどんどん買ってしまうかもしれない。
電子書籍も、VODサービスも、ようやく第一段階、とにかくはじめてみたよ、というステップなのだろう。次の段階としては、ソーシャル機能、ぜひ取組みましょう!絶対活性化するから。
・・・そうやって考えていくと、FacebookがVODや電子書籍販売をやるのがいちばん早いのかも。うーん、世界はもはや26歳の小僧の手の中にあるのかな?
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