尖閣諸島のイザコザでちょっとめげていた”世界戦略”の話。いろいろと刺激的なニュースも今日あったので、気を取り直して書き進めようと思う。ただし、行く先は書きながら考えるのでまとまった話になるかはわかりまっしぇん。
今日、韓国LG電子が日本で液晶テレビ市場に参入するというニュースが報じられた。LGは数年前も日本市場に挑戦して成功しなかったが、今回は日本市場に合わせた製品開発をして満を持しての再挑戦なのだという。「5年以内にシェア5%」が目標なのだとか。
このニュースを見て、皆さんどう思っただろう。ぼくは「ほほお」と思った。LG電子のテレビ、ありじゃね?と感じた。LGはサムスンに次いで世界市場で2位なのだそうだ。もはや、一昔前のイメージとは違い、品質も良さそうだなあ、と受けとめた。
おや?
この感覚は、一昔前とほんとうにずいぶんちがってるんじゃないか?
LGはいつの間にか、日本の電機メーカーと遜色ないブランドイメージを確立していた、のではないかしら?いやこれは、人にとってかなり感覚が違うところだろう。少なくともぼくは、そう感じている。悪くないんじゃないかと思ってる。ニュースで見たチョー薄いテレビの姿に、LGならそうだろうな、いいんだろうな、と納得していた。いや、だが、しかし、いつの間にそれが自然になっていたんだ、ぼくの中で・・・
さて一方で、SHARPがこれも満を持して、タブレット端末を発表。その名もGALAPAGOS!・・・どっひゃー!
いやこのネーミングは、どう考えても敢えてつけたわけで、ガラパゴス製品で世界へ勝負だ!という前向きな意志と受けとめようじゃないか。
ただ、LG電子の液晶テレビ、悪くないんでね?という感覚とセットで捉えると、やはりもやもやしてしまう。そんな日本市場の閉鎖性を逆手にとったネーミングを敢えてしないといけない状況なの?と。
さてここで唐突に本の紹介。野口悠紀雄著『経済危機のルーツ モノづくりはグーグルとウォール街に負けたのか』
経済危機のルーツ —モノづくりはグーグルとウォール街に負けたのか野口 悠紀雄東洋経済新報社このアイテムの詳細を見る |
野口悠紀雄先生は、ぼくが90年代から強い影響を受けたひとりだ。わかりやすいとこでは超整理法シリーズなんていうベストセラーもあるんだけど、そっちではなく。あ、でも野口悠紀雄先生の話はまた別の機会に書こうかな。
この本はようするに、「日本のモノづくりはグーグルとウォール街に負けたのか?負けたのだ」という内容が書いてある。70年代から世界と日本の経済の様相を振り返り、日本が世界の変化に取り残されて負けそうだぜ、という話なのだ。
アメリカやイギリスは80年代に大改革をして製造業をあきらめた。そして金融とITにシフトした。金融とITは非モノづくり産業であり、頭脳産業である。工業化が進むと、そこから脱皮して頭脳産業中心にシフトしないとどうしようもなくなるんだぜ、ということだ。
日本は、90年代以降もそういう産業シフトができなかったばかりか、旧来型の重厚長大製造業をなんとか死守しようとしてきた。でも、製造業では新興国にどうやったって勝てないんだぜ、ということらしい。
LG電子の液晶テレビもいいんでない?と感じていることと、野口悠紀雄先生の高説を併せてとらえると、うーむ、と考え込んでしまう。日本経済の行方とか、大した知識でもないのに心配してしまう。
でも、だからこそ、ぼくがここで、この”クリエイティブビジネス論”と題したブログで、”世界戦略”などと大上段に書き進めている意味があるのだよ。
日本は、コンテンツ産業で世界と勝負だ!ってことなんだ。
うは、大きな文字で威勢よく書いちゃったねえ。しかし、マジで、そんな大袈裟なレベルで考えるべきだと思ってるのですわ。
そんなさあ、狭い島国で、せせこましくやってきた日本のコンテンツ産業が、世界に打って出られるのかよ。だいたい、このブログでは散々、世界第2の市場だけどアメリカに比べるとちっこい市場だって書いてきたじゃんよ。
それはそう。そうだけど、一方で世界第2のマーケットではあったんだ。世界に打って出る権利と可能性は、世界で2番目に持ってるはずじゃないか。
そのあたり、もう少し話を深めていくんでね、だんだんね、盛り上がっていくよ・・・たぶんね・・・
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韓国メーカは、80年代後半から、90年代前半にかけて、日本の技術者の土日に飛行機で呼び寄せ、技術を盗んでました。私の周りにも、金曜日の午後、いなくなって、月曜日に午後出社する課長がいました。韓流とかはやってないのに、ものすごく韓国通で。お金持ち。「株で儲けている」と、言い張ってました。今、なりたっているビジネスは、そういう日本人から流出した技術です。2000年あたりは、中国に流出したと予測しています。日本が負けたのは、日本のせいですわ。