おいらとあんたの世界戦略・その2

はい、前回に続いて、クリエイターの世界戦略について話を進めていくよ。・・・と思ってたんだけど、中国のことについてもう少し書いた方がいいかなと。そう、日本のクリエイターの今後にとって、中国はホントに大事だと思うんだよね。

とは言え、中国経済について詳しく知っているわけではないんだ。ただ、このところチャイナパワーを強く実感する体験をしたものでね。それについて書こう。

そもそも、”クリエイティブビジネス”と中国の関係について考えるようになったきっかけは、NHKの番組だった。去年の秋のNHKスペシャル「チャイナパワー・電影革命」という番組を見て衝撃を受けたのだ。これについてはその時に書いた記事があるから読んでみて。(この時も人口についてふれているね)

それ番組に衝撃を受けて以来、中国をぼくたちの仕事との関係で気にするようになっていた。

さて、ぼくは8月の末に仕事で札幌に行った。ちょっとした付き添いのつもりだったので、避暑気分でお気楽な気持ちで行ったら、熱かった。いや、気温が異常に高くて暑かったのだけど、それとは別に、中国に対して熱かったのよ。

けっこうスケジュールが詰まっていて観光はできなかったのだけど、例の時計台の前を通った。なんだ、意外にビルに囲まれた中にあるんだ、と見ていると、やはり札幌観光のシンボルだけあって、写真を撮っている人がけっこういた。でも、なーんか雰囲気ちがう・・・と思ったら、みんな中国語をしゃべっているんだ。あれ?じゃあこの人たちみんな、中国からの観光客なの?

北海道は東京より中国と近い。距離の話じゃなく、経済的にね。例えば札幌駅のビルに、ダーンと中国語の垂れ幕がかかっている。「銀聯なんとかかんとか」と書かれている。中国のクレジットカード”銀聯”カードが使えますよ、と書いてあるのだそうだ。デパートなどにも中国語ができるスタッフが多いらしい。

なんでも、北海道を舞台にした恋愛映画が中国で大ヒットしたこともあり、ここ数年で観光客がわんさか来るようになったのだそうだ。

あるいは、札幌のメディアの方と話すと、中国の話題が出てくる。しかも真剣なビジネスの相手として捉えている。これは失礼な言い方かもしれないけど、東京のメディアより状況が深刻だというのもあると思う。中国とやっていかねば!という意志がビンビン伝わってくる。中国のメディアとすでに具体的な提携関係などを結んでいたりするのだ。

秋葉原の大学院で地域活性化などについて研究されている@kenny715さんは、「これからの地域活性はLocal to Localがキーワード」とよくおっしゃる。それがまさに、札幌では具現化されているのだ。

もうひとつ、少し前の話だけど、中国からアニメ関係の方が来て交流会があるのでと誘われた。同僚のアニメ作家、@GonNomuraとともに参加してみた。

内陸のある都市から来た一行だったのだけど、なんというかものすごい熱さを感じた。なんでも、その都市に”クリエイティブ産業”を育成しようと、数十万人(数万人じゃなくて!)の人が集まっているのだとか。コンピュータのソフトウェア関係から、WEBのテクノロジーや、CGやアニメーション制作の会社がわんさかあるらしい。国策によって税制面の優遇策もあって、とにかく国を挙げて育てよう、ということなのだ。

会食の席が持たれ、ぼくも@GonNomuraとともに参加した。彼の地でアニメーション制作会社を起業したという青年と話したのだけど、そのエネルギーに圧倒された。通訳してもらいながらなんとか会話し、何か一緒にできるといいですね、と社交辞令的に言うと、「なんたらかんたら!」と言いながら握手し、乾杯を求められる。何度も何度もね。

なんつうか、負けてる気がした。

80年代の日本人を、アメリカ人はこんな気持ちで見ていたんじゃないかな。この人たち、垢抜けないけど、おれたちそのうち呑まれるな。

実際、CGやアニメーションの分野では、「日本の頭越し現象」が起こっているそうだ。ハリウッド制作の映画のCGやアニメーションの外注先として、中国がいま普通になってきている。日本は、高いし、けっこう細かいこと言うし、使いにくいよ、中国は安いし、とやかく言わないし、ということだ。香港やオーストラリア・ニュージーランドも含めて、環太平洋映像制作圏みたいなものが、日本だけ外してできつつあるらしい。とほほ、だね。

そんな、クリエイティブ産業のガラパゴス現象、ジャパン・パッシングが実際に起きている中、ぼくたちは世界戦略を持たねばならない、というわけ。とほほ、と嘆いてばかりいちゃまずいっしょ、と。

それにね、嘆いているだけを脱却して、前向きな気持ちになれば、前向きになるべき要素はあるんだと思う。ということで、おいらとあんたの世界戦略、しばらく続けるからね・・・

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コメント

  1. 10年ほど前の(PC系)展示会で感じたことですね。日本人は、オリンパスのデジカメブースとかで、ギャルの写真を撮影しまくり、6時には、新橋で同期会をするために、来てる。でも、中国、台湾、韓国の方々は、ブースに何度も何度も、来ては、何か情報がないかとさぐりを入れてくる。だいたい同じ人が、3回来てましたね。たぶん、40年前くらいの日本人は、アメリカの展示会に行ったときは、同じことをしてたんだと、そのときに思いました。今、気づいて、今、行動し始めるのも、大事ですが、すでに、速度に差がついてるんですよ。

  2. higekuma3コメントどうも。>すでに、速度に差がついてるんですよ。この度の、船長逮捕→突如釈放、の流れを見ていて、もうどうにもこうにもかなわないんじゃないかという気がしてきました。とほほ・・・

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