”アイデア”から”ソリューション”へ〜メディア事変その10〜

”メディア事変”と題して書き連ねている最中に、電通が決算を発表した。内容は、あまりよくない。そりゃそうだよ。マス広告費がはっきり減少をはじめて、昨年度はテレビ広告費も少しだけどはっきり減少をはじめた。メディアの売買をする広告代理店のトップがその余波を受けないはずはない。

ここで注目したいのが、その電通が発表した”今後の経営方針”と題するPDF書類。ここでその概略を見てみて。

読んだ?え?全部読むの大変?ああ全部じゃなくても、1ページ目と2ページ目、4ページ目あたりを読めば十分。

そこにね、キーワードとして”ソリューション”って出てくるでしょ。それそれ。大事なのはそのコトバ。

これからはね、ソリューションですぞ、ソリューション。

ぼくはこのPDFを見て”あっ”と声に出して驚いた。さすが電通だぜ。おそれいった。ちゃーんと、考えるべきこと考えてる。

ソリューションとは、パッと訳すと”解決”でしょ。これですよ。クリエイターはね、クライアントに”解決”を出してあげるわけ、これからは。そういうとらえ方で、業界内だけの価値を、経済界での価値に転換できる。

クリエイターって、”アイデア”を出す人、だったでしょ。”ひらめき!”みたいなね。”感性”で生み出す”アイデア”。これがクリエイターのやるべきことだった。

でもね。”アイデア”って、天才っぽいしアーティストっぽいけど、なんだか”思いつき”みたいでしょ。

”ソリューション”はコトバのポジションがずいぶんちがう。なんというか、もっとこう、奥が深い。背景がありそう。短期的じゃなさそう。経済の裏打ちがありそう。

コトバの印象だけでも、かなりちがう。そういうことが、すごく大事なんだと思うよ。

え?”アイデア”を出してるつもりはなかった?”ソリューション”って言われりゃ、いままでだって”ソリューション”を出してたよ、って?

そうかもしれない。本質的に”アイデア”と”ソリューション”は変わらないのかもしれない。

そうだよ、変わらないよ。だから、大丈夫だって言いたい。いままで業界内で”アイデア”を出してごはんを食べてたあなたなら、”ソリューション”を出せるよ、と言いたい。これがひとつの一面。

でも一方で、いや”アイデア”と”ソリューション”は似てるけどずいぶんちがうよ、とも言いたい。そこはあなたもどこか脳みそを変えた方がいい。

んー、じゃあ”アイデア”と”ソリューション”はどこが同じで、どこがちがうのか。・・・だんだん、考えを深めてみよう。

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