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ソーシャルテレビの定義を考えてみる〜推進会議第二回会合から〜

ソーシャルテレビ推進会議というのをはじめている。4月に最初の会合を持ったことは前に書いた。そして5月29日に、二回目の会合を開催したよ。

いろいろアレなんで、どこの誰が参加したかはここでは書かないことにする。別に隠そうってんじゃないんだけどね。アプリ関係者、テレビ局の人、などなどなどという感じです。

いくつか大事なことが決まって、まず、近々”ソーシャルテレビラボ”というサイトを起ち上げます。そこに行けばソーシャルテレビの最新情報が一網打尽、になる予定。これはもうホントに近々やるので、乞うご期待ですわ。

それから、推進会議としての研究発表的なことをやろうと思います。その成果はたぶん、境塾や近々できるサイトで発表することになるでしょう。けっこう、意欲的だね、この活動。

さて、その会議で議論した中に、”ソーシャルテレビはどう定義すべきか”というお題があった。

例えばWikipediaにはSocial_Televisionという英語のページはあるけど、日本語のはない。我々が作成するべきではないか?という意見が出た。そうかもね。

でも、どう定義すればいいのだろう。

現状、ソーシャルテレビと言えば、テレビ番組をリアルタイムで視聴しながらTwitterでみんなのつぶやきを見たり自分でもつぶやいたりする、そういう行為のことになっていると思う。そういうテレビの見方をソーシャルテレビと呼ぶことに反対する人は誰もいないだろう。

このソーシャルテレビのいいところは、テレビ放送にとってプラスに働くね、という点だ。去年アメリカでニールセン社が「SNSで放送開始前に9%盛り上がると視聴率が1%プラスになる」とほんまかいなな発表をしたのもあり、テレビ局はがぜんソーシャル視聴に大賛成になった。

ソーシャルメディアに関する議論には、皆さんなんだか熱くなって宗教の議論みたいになりがち。そしてソーシャル原理主義者的な人びとは、ソーシャルテレビとはこのリアルタイムのながら視聴に尽きる!と力説する。

でも一方で、レンタルDVDやオンラインのVODサービスを楽しむ際に、ソーシャルメディア上の感想が役に立つよね、というのもある。そして放送局がこぞってVOD市場に番組を出すようになっているので、そういうソーシャルテレビもあるんじゃないかとぼくは考えている。

典型的なのが、このブログでもとりあげたNHKの実験、teledaだ。NHKの番組に絞られてはいたものの、VODサービス上にある番組について、この実験向けに開発したソーシャルメディア上で感想を交換しあった。ソーシャルテレビがソーシャル×テレビだとすれば、これもソーシャルテレビと言える、言えてしまうのだ。

さてソーシャルテレビにはもうひとつのカテゴリーを加えていいのではないか、とここで気づいた。ソーシャルメディアを通じて視聴者と双方向な番組づくりを行うこと。「ああ、NHKのNEWS WEB24みたいなことでしょ?あれもリアルタイムのソーシャルテレビのひとつになるんじゃないの?」としたり顔で言われそうだ。

でも、よく考えるとそれはそれで別のカテゴリー扱いにした方が、ソーシャルテレビが何かがくっきりするんじゃないかな。NEWS WEB24は確かにリアルタイム視聴だけど、こないだ「さんま岡村の日本人なら選びたくなる二択ベスト50!SP」という番組があった。これはFacebook、Twitterそしてポイントライフの3つのソーシャルサービスでみんなの声を”事前に”集めて、その結果をもとに番組を構成していた。リアルタイムではないのだ。

番組づくりにソーシャルメディアを活用することは、リアルタイムとは限らない。スマートフォン向け放送NOTTVでも似たことは起こっている。「AKB48のあんた、誰?」という番組では、AKBメンバーでも無名の娘たちが出演するのだが、ファンたちが次回の放送についてどんどん意見を寄せてきて、視聴者と一体になって番組企画会議を行っている状況だという。これもソーシャル×テレビのひとつの形だ。

と、ソーシャルテレビの話題は尽きない。まだまだあるのかもしれない。もう少し、事例を見つめて議論していかなきゃならないかもね。何しろ現在進行形なのだな、ソーシャルテレビってば。

そうそう、ところでこのソーシャルテレビ推進会議には、いろんな方からお問合せをもらっている。とくに参加資格は問わないけど、ソーシャルテレビと自分の関わりを何らか説明してくださいねとお願いしている。興味あるし、関係してるし、参加したいぜ、という方は、ぼく宛てにメールをください。 sakaiosamu62@gmail.com まで、どうぞ!

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